√番外編作品集
「潤ちゃん♪ノート借りますよん」

前の席の黒沢のノートを引っこ抜いて黒板へ向かう。

黒沢は寝ていたので、無反応だった。

黒沢がなんであんなに淡泊でいられるのか、今回のことで少し分かった気がする。

俺は「女」で自分を照らそうとしたけど

こいつは多分違うもの。

もっと「動かない」ものに自分の位置を照らそうとしてる。


そう、x値もy値も関係ないくらい。

このノートとか見ると納得するけど

本当に見つめるべき自分、それが黒沢は分かってる。


同い年だっていうのに、なんか黒沢は1人飛び抜けてて

追いつきたいけど、なかなか追いつけない。

こいつは永遠に俺のライバルな気がする。


ま、でも、だから俺も自分を見つめて、イイ男になればいいんじゃない?

そしたらいつか女神が俺に寄ってくるはずだ。

早苗さんが「後悔させなさい」って言った。

そういうことだったんだな。
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