√番外編作品集
から?過去形?
言葉の端を拾って疑問を感じてしまったのを、河田君は敏感に拾い上げた。
「今、お袋再婚しちゃってどっか行っちゃった。幸せみたいよ。たまに葉書とか来るし。あ、ついていかなかったのは俺と姉貴の決定で捨てられたんじゃないよ」
「それで、河田君は大丈夫なの?」
「えーまぁ、そだね。あとはアネキが今の彼氏とこのままうまーくデキてくれればいいや」
河田君は笑うと、私を見つめた。
「強いっていうのは、山岡ちゃんのこと言うんじゃない? そこまで死が迫ってるのにいつもの山岡スマイルだもん」
「……ちがうよ、ただ…私は、怖いから、笑わないと壊れちゃいそうで」
背筋が痛む。
首を締め付けられた感触がまだ首に残っていた。
「俺傍いるから、もう寝たほうがいいよ。黒沢が絶対山岡ちゃんを助けてくれるよ。あいつそういうヤツだから」
河田君の薦めを受け入れて横になる。
まるで絵本でも広げて寝かしつけるための話をしてくれるかのように河田君は身をかがめて私を覗き込んだ。
グリーンのカラコン、痛くないのかなぁ。
1年生の頃はよく知らなかったけど、昔からこんな派手な……えっと、オシャレだったのかな。
そういえば、河田君は潤と中学も一緒だったっけ。
「ねぇ、敦子にもプリクラ見せてもらったけど……中学時代の潤って、どんな感じだった?」
「え?そうだなぁ……俺、中3の時同じになったんだけどさ……あ、俺、前の学校で問題起して転校した転入組ね」
河田君は開いていた隣のベッドからタオルケットを引きずり出して、羽織った。
まるで宿泊研修みたい。思わず微笑んだ。
言葉の端を拾って疑問を感じてしまったのを、河田君は敏感に拾い上げた。
「今、お袋再婚しちゃってどっか行っちゃった。幸せみたいよ。たまに葉書とか来るし。あ、ついていかなかったのは俺と姉貴の決定で捨てられたんじゃないよ」
「それで、河田君は大丈夫なの?」
「えーまぁ、そだね。あとはアネキが今の彼氏とこのままうまーくデキてくれればいいや」
河田君は笑うと、私を見つめた。
「強いっていうのは、山岡ちゃんのこと言うんじゃない? そこまで死が迫ってるのにいつもの山岡スマイルだもん」
「……ちがうよ、ただ…私は、怖いから、笑わないと壊れちゃいそうで」
背筋が痛む。
首を締め付けられた感触がまだ首に残っていた。
「俺傍いるから、もう寝たほうがいいよ。黒沢が絶対山岡ちゃんを助けてくれるよ。あいつそういうヤツだから」
河田君の薦めを受け入れて横になる。
まるで絵本でも広げて寝かしつけるための話をしてくれるかのように河田君は身をかがめて私を覗き込んだ。
グリーンのカラコン、痛くないのかなぁ。
1年生の頃はよく知らなかったけど、昔からこんな派手な……えっと、オシャレだったのかな。
そういえば、河田君は潤と中学も一緒だったっけ。
「ねぇ、敦子にもプリクラ見せてもらったけど……中学時代の潤って、どんな感じだった?」
「え?そうだなぁ……俺、中3の時同じになったんだけどさ……あ、俺、前の学校で問題起して転校した転入組ね」
河田君は開いていた隣のベッドからタオルケットを引きずり出して、羽織った。
まるで宿泊研修みたい。思わず微笑んだ。