√番外編作品集
「敦ちゃんは俺がお嫁さんにするから安心して?」
「また、そんなこと敦子が聞いたらドロップキックだよ?」
「それもまた良し。アネキに比べれば全然痛くないし。敦ちゃんて猫みたいだよね。髪の毛くるくるだし。たまに真剣に黒沢のこと見てる目見てると、本当にそう思う」

河田くんの言葉には、優しさがあった。
敦子を弄って遊んでるんじゃなくて、少しは気持ちがあるんだと思わず感心してしまった。
敦子は……色んな人に愛されてて、羨ましいな……
潤とも、付き合ってたって……言ってたっけ……

でも、分かる気がするんだよね
私は潤のこと、すごく好き。
自分でも戸惑うくらい。

でも私……敦子のことも、すごく大事なんだ。
友達はいるけど、敦子はなんだかちがう気がする。
勝手だけど、信頼できるっていうか、何でも話ができるような気がするし……
『心友』って言っていいのかな。
敦子が私のことを大切にしてくれてるの私のために我慢して言わない言葉とかあるのも分かってる。

だから……
そんな、潤と敦子が付き合って、幸せになるのなら私も幸せになれる気もする。






だけど、なんだろう、モヤモヤするこの……暗いモノ……
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