君にあげられるモノ
「うん。あなたは楽しくない?」

 彼は一瞬考えるそぶりを見せた。む、と唸って私に視線を向け、

「楽しそうにしてるのを見るのは、楽しいな」

 おぉ、ちょっと脈ありじゃないのこれ、などと思っていると、店の隅の機関電信(エンジンフォン)が鳴った。

「わり、ゆっくりしててくれ」
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