らぶ☆でり~恋を運んでおにーさん~
『宅配便のおにーさん』




『んじゃ明日送るから、明後日何時がいい?』

「ん~と、明後日は午前がいいかな」

『はいよ~じゃまたね』

「はいはい。ありがとう」

「明後日荷物くるの?」

クンっと髪の毛が少し引っ張られる。首に息があたって恥ずかしい。

私はいま、海に抱きしめられながらお母さんに電話をしていた。

「うん」

あれから私の地区担当はあのおじさんだから、ちょっとだけ寂しい。でも今海が担当になったって、きっと恥ずかしいだけだから、いいや。

そんな事をぼんやり考えていたら

「楽しみだね」

と海が意味ありげにほほえんだのに私は気づかなかった。

ーーーーーーー
ーーーー
ーー

ピンポーン

荷物が来る日。

私はパジャマのまま玄関に向かった。


「はぁい」

ガチャ

「確認せずにでちゃだめですよっていつも言ってるじゃないですか」

「え!?」

なんで

「これだからいつもいつも心配でたまらないんです」

ここに

「少しは自覚して下さいね」

海がいるの!?

「なんで…」

わけわからんって顔で海をみる。

すると海はしてやったりな顔をした。


「担当の紺野さんがぎっくり腰になってね、前の担当の僕が呼ばれたんですよ」


う…久しぶりに見る海の制服姿に敬語。。。


「ハンコ下さい」

鼻血でそーです。

「あっ…はい」

「…もう一カ所、ハンコ欲しいんですけど」

「あっどこですか?」

「ココ」

そう言って海が極上の笑顔で指さしたのは海の唇。

「なっ!?」

「俺の専用ハンコがあるはずだけど?」

ニヤッと笑うその顔さえかっこよくて、

仕事とのギャップにドキドキして。

「早く…」






う~~~~~~~!!!!!


チュッ

「はい!!おわり!!ばいばい!!」

バタン



…宅配便のおにーさん。これからイロイロ大変そうです。


END
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