らぶ☆でり~恋を運んでおにーさん~
そんなこんなで季節は冬になったの。
で私は珍しく風邪を引いて、しかもこじらせてしまった。
親に頼んでカイロだの湯たんぽだのを送ってもらい、いつものように水無瀬さんが届に来てくれた。
ガチャとドアを開けると驚いた顔の水無瀬さんがそこにいた。
「藤咲さん、風邪ひいたんですか?」
「はい…ちょっと」
ゴホゴホと咳がでて、ふらつく頭でハンコを押そうとした。
すると
「いいですから、さっ中に入って下さい」
と言って荷物を玄関に置いた水無瀬さん。
水無瀬さんの制服をぼーっと眺めていると水色のボーダーがぐにゃぐにゃしてきた。
そしてフッと周りが暗くなる。
「藤咲さん!?」
水無瀬さんの声をどこか遠くに聞いた私は、どこからか薫るシトラスのいい匂いに包まれ目を閉じた。