らぶ☆でり~恋を運んでおにーさん~


そんなこんなで季節は冬になったの。

で私は珍しく風邪を引いて、しかもこじらせてしまった。

親に頼んでカイロだの湯たんぽだのを送ってもらい、いつものように水無瀬さんが届に来てくれた。

ガチャとドアを開けると驚いた顔の水無瀬さんがそこにいた。

「藤咲さん、風邪ひいたんですか?」

「はい…ちょっと」

ゴホゴホと咳がでて、ふらつく頭でハンコを押そうとした。

すると
「いいですから、さっ中に入って下さい」

と言って荷物を玄関に置いた水無瀬さん。

水無瀬さんの制服をぼーっと眺めていると水色のボーダーがぐにゃぐにゃしてきた。

そしてフッと周りが暗くなる。

「藤咲さん!?」

水無瀬さんの声をどこか遠くに聞いた私は、どこからか薫るシトラスのいい匂いに包まれ目を閉じた。
< 4 / 42 >

この作品をシェア

pagetop