らぶ☆でり~恋を運んでおにーさん~
「高いな…」
そう呟いた水無瀬さんはあたりを見回し、
「ちょっとだけ、待ってて」
と言うと部屋を出て行った。
水無瀬さんがいなくなると妙に寂しくなり、風邪のだるさもあいまって妙に泣きたくなった。
ガマンしてガマンして、でも寂しくて、水無瀬さんの声が、手が、恋しくて。
ポロリと涙がこぼれた。
そんな時玄関の方からガチャと玄関を開ける音。
びっくりしたがなすすべのない私はギュッと目をつぶった。
足音が近づく。
「藤咲さん。大丈夫ですか?」
低い、でも甘い声。
「みなせ、さん?」
「すみません。ちょっと買い物に」
恐る恐る目を開ける。