狂者の正しい愛し方
スカートは、この季節らしい優しいデザインで白い、丈の長めのもの。
でも上が…、なんの可愛げもないグレーのTシャツっていうのは……。
しかもあちこちに赤いシミがある。ここしばらく、ずっと佐薙さんにご飯御馳走になってたから、もしかしてケチャップ汚れだったりする……?
何にしろ、今の私の格好は、とても褒められるようなものじゃなかった。
ファーストフード店の女の人達の言葉の意味がようやく分かった!
つまりは私の服装がおかしいってことだったんだ!
今まで気付かなかった自分も十分悪いんだけど、
それを傍らで見ていながら少しも教えようとしない佐薙さんも酷いんじゃ…。
「ちょ、ちょっと佐薙さん!少しは優しさをくださいよ!
私、服めちゃくちゃじゃないですか!
なんでもうちょっと早く教えてくれなかったんですか!?」
声を大にしてそう怒ると、佐薙さんはまたわけの分からないことを言い出した。