狂者の正しい愛し方
「ご両親に会いに行くんだから、寄り道しないで行こう、ってことだ。」
「あ、ああ、なるほど。」
それなら最初からそう言えばいいのに。
佐薙さんが変なのはいつものことだけど、さっきは本当に変になったのかと思った。
「さあ行こう」と手を引かれ、私達はまた昼下がりの暖かい太陽の下を歩き出した。
家に向かって一歩一歩。
歩き慣れた道を、一歩一歩。
……私はまた、気付かなかったんだ。
トマト、嫌いなのに、ケチャップ食べられないのに、
服にケチャップ汚れが付くなんて、
おかしい、よね。