狂者の正しい愛し方
愛
―――
「うーわー!!
佐薙さん、外熱いですよ!!」
何かが吹っ切れたように気持ちが軽い。
今なら、なんだってできそうだ。
そう。今なら、子供みたいに手の平を太陽に向けて、叫ぶことだってできる!
今の私は、少し時期が早いけど夏物のワンピースを着て、佐薙さんと一緒に国立公園の広い草原に寝そべっている。
周りに人の姿はない。
頭上で燦々と輝く太陽は、夏場でもないくせにぎらぎらと日光を照射している。
私の浮かれる姿を、横に同じように寝そべっている佐薙さんが、嬉しそうに眺めていた。