狂者の正しい愛し方
高校の合格通知を持って図書館に駆け込んだとき、うっかり、積み上げられていた本の山を綺麗に崩したけど、まあそれも良い思い出。
“図書館ではお静かに”の決まりを破らない程度の大声で、私は佐薙さんに報告した。
そうしたらやっぱり、佐薙さんは「おめでとう」「頑張ったな」「偉いぞ」と大きな声で褒めてくれた。
そして、最後の言葉に、私は耳を疑った。
『新山晴姫さん。
貴女が好きです。俺と真剣に、付き合って欲しい。』
清純100%の微笑みで告白を受け、気付けば私は、
『はい…?
……はい。』
文字通り、二つ返事で承諾していた。