狂者の正しい愛し方


小さいときは、お母さんも私をよく褒めてくれた。

……今のように出張族じゃなかったから。


お父さんも、昔は私と一緒に遊んでくれた。

……今のように、仕事人間じゃなかったから。



小さいとき、というのは、小学生時代のことじゃない。


四歳のとき、だ。



一人っ子なのに、そんな時から親にまともに関わられなくなるのは、辛い。

忙しいのは分かってた。

嫌われてないのは分かってた。



……でも、そんな時から、


“独りぼっち”を経験するのは辛かった。



保育園が無い休日も両親は多忙で、

たった一人で、暗い家に、

無駄に広い空間にいるのが耐えられないほど辛かった。


< 46 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop