狂者の正しい愛し方
小さいときは、お母さんも私をよく褒めてくれた。
……今のように出張族じゃなかったから。
お父さんも、昔は私と一緒に遊んでくれた。
……今のように、仕事人間じゃなかったから。
小さいとき、というのは、小学生時代のことじゃない。
四歳のとき、だ。
一人っ子なのに、そんな時から親にまともに関わられなくなるのは、辛い。
忙しいのは分かってた。
嫌われてないのは分かってた。
……でも、そんな時から、
“独りぼっち”を経験するのは辛かった。
保育園が無い休日も両親は多忙で、
たった一人で、暗い家に、
無駄に広い空間にいるのが耐えられないほど辛かった。