狂者の正しい愛し方


「晴姫、先生の名前はなんていうんだ?
今から挨拶してこよう。
“明日は大切な恋人がお世話になります”って。

ああ、誤解するな。
ちょっとお礼しに行くだけだ。」


「それ金属バット片手に言うセリフじゃないですよね!?」


今にも部屋から飛び出さんとしている佐薙さんを制止し、その手にある金属バットを離すよう促す。

佐薙さんは渋々置いてくれた。


……だ、大体、“お礼言う”のと“お礼参り”は全然違うんだからさぁ……。



「真面目に聞いて佐薙さん。」

「ん?」


こっちが真剣に話そうとしてるのに、佐薙さんは微笑んだままだ。


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