狂者の正しい愛し方


あ、あの、なんだか猟奇的な目が戻ってきた気が…。


「勿論、笑顔も喜ぶ姿もこの上なく愛しい。
でも、普段は見られない表情もたくさん見たくなる。

以前、割れたガラスの破片で指を切ったとき、晴姫は痛そうな顔をしたな。
あの表情もまた、晴姫にしかできないものだと思うと、凄く愛しくなった。」


ち、ちょっと、話がずれてやしませんか?


「……それに、俺が特に気になるのは…、」


「ひっ…!!」


突然、指先を佐薙さんに舐められた。

べろ、と滑る舌の感触が生々しくて、思わず声を上げる。


でも理由はそれだけじゃなく、

指を舐めながら上目遣いをする佐薙さんが、とても妖艶に見えたから。



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