狂者の正しい愛し方
「そういう、顔。」
「そういう…、って…。」
真っ赤に染まった私の顔は、今ならきっとトマトより良い色になっている。
つまり、佐薙さんの見たかった顔っていうのは…、
「晴姫の恥ずかしがってる顔も凄く可愛い。」
「ッ、あ、悪趣味です!!」
半ば怒鳴りながら手を振り払うと、私は今座ってる椅子の背もたれにピッタリと背中を付けて、佐薙さんを睨む。
でも、顔は真っ赤なので迫力はない。
情けない限りだ。
「晴姫、恥ずかしかった?」
「はっ、はい!?そ、そんなわけ…、」
「じゃあ、嬉しかった?」
「んなッ!!なんでそうなるんですか!!」
「俺は、晴姫が反応してくれて嬉しい。」