狂者の正しい愛し方


「言ってろー!!!」


…あ、思ってたことが口に出てしまった。

でも最近になって私が怒鳴ることなんて日常茶飯事だから、佐薙さんは傷付いたりしない。

目を細めて、本当に嬉しそうに微笑むだけ。


一人で怒ってる私が馬鹿みたいじゃないか!!


頭の中でパニックに陥っていると、佐薙さんがテーブルに肘をついて言った。


「俺は父兄参観に行くよ。やっぱり晴姫が勉強してる姿、見たいしな。」


「っ……、諦めないんですか…。」

綺麗な笑顔で「うん」と即答されてしまえば、私にはもう断る力はない。

仕方ないなぁ…。なんて溜め息を吐きながら、


「…うん、じゃあ、お願いします。」


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