狂者の正しい愛し方
『さ、佐薙さん!
何も水分摂らないのはまずいですよ!
ほら、私の飲んでください!』
私は善意で、佐薙さんに缶ジュースを押し付けた。
飲みかけで申し訳ないけど、今はそんなことに構っていられない。
早く飲んでください。
そう、言おうとした時だった。
『…いいのか?
あ…、嬉しい…。
晴姫の飲んでいたものが飲める。』
今 な ん と ?
幻聴だ幻聴だ幻聴だ!
疲れてるんだ私は!!
そう自分に言い聞かせ、それでも確認までに、
もう一度訊ねてみた。
『…あの、佐薙さん…?
今なんて、言いました?』