あたし死んだって誰も悲しまないの?
第1章
「まあっ 美緒~ こんな難しい問題できるようになったのお~?」
「うんっ まま、美緒、頑張ったよっ」
「美緒はえらいね~! あのメスブタとは違って。」
最後の言葉は感情のこもらない言葉。
メスブタとはあたしの事だろう。
あたしはリビングの空気に耐えかね、自分の部屋に戻った。
「ちょっと夏美! 今日テストだったんでしょ?! 見せなさいっ」
怒り狂った声で叫ぶ母を無視して階段をあがる。
そんな中からかすかに耳に届いた母の言葉。
「なんで美緒はできるのに夏美はそんなに馬鹿なのかしらっ」
ぐっと涙をこらえた。