キス屋

「初回のご利用は、特別で
 1時間1000円とさせて頂きます。
 
 但し2回目からは1時間2000円と
 なってしまいます。
 よろしいでしょうか?」


「あ...はい」



別に何回も利用する予定じゃ
なかったから、良いやと思った。


「ではこの契約書にサインを」


「契約書っ?」


「ご安心下さい。最低限の
 ルールを守って頂くためですので...」



渡された契約書には、

3つだけ利用規約が
書かれていた。


--------------------
・契約書

→利用規約

1 店以外の場所で
  店員と会わない事

2 店員がお客様を拒否する
  場合がございますが
  ご了承下さい

3 店員との恋愛は
  認められません。

--------------------


なあんだ、これだけ。

あたしはサラサラっと
ペンで自分の名前を書いた。


< 18 / 35 >

この作品をシェア

pagetop