キス屋
大抵「珍しいね」とか
「そこまで存在感薄くないよ〜」
とか言う反応が返ってくるから、
余計に。



しかしリョウスケさんは



「...まじ?」



と本気で驚いていた。


「え、はい..」


何か悪い事言ったかな...?
そんなに変なのかな...?


一瞬にしてあたしの心には
不安の渦ができた。


ところが、



「すげー偶然!!!俺の妹も、
 同じだよ!
 あんまり居ないから、
 すっげービックリしてる!!」


と私の手をとって言った。

あたしは安堵した。

変に思われてた訳じゃなかった、と。


「そ、そうなんですか...」


「いや〜ホントびっくりした!
 でも妹、自分の名前
 気にいらないみたいでさ?
 良い名前だ、って思うのに」



妹さんも、やはりそうなのか。
なんだか気があう気がした。



「あたしも実は、あんまり...
 好きじゃないんです。」


そう言うとリョウスケさんは
さらに喰いついた。



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