キス屋

リョウスケの部屋は
移動したらしく、
32号室になったらしい。

少し遠くなったが、
その距離もまた楽しみに変わる。



「...少々お待ち下さい」



32号室の2つ手前で
とめられた。


案内人は忍び足で
32号室に近寄り、
そうっとドアを開けた。



...?


今までこんな事無かったのに。


どうも、動きが不審だ。


早くリョウスケに会いたい、
そう考えると案内人の
行動に少し苛々してきた。



30秒ぐらいで案内人は
戻って来た。



「今ほかのお客様が
 リョウスケを指名中でして…
 もう少々したら出てくるかと」



案内人がそう私に告げると、
その通りに32号室から
知らない女性が出て来た。

22歳ぐらい...?

若かった。


髪はキレイな栗色で、
アイメイクで目がぱっちりしてる。

服もセクシーなものだった。






気のせいだろうか。
いや、違う。

すれ違う時、睨まれた。
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