キス屋
授業の終わりを告げる
チャイムが聞こえると、
皆一斉に教科書を閉じた。
もう帰る時間だ。
「あ、えあー!!あのさ、
今日一緒に帰れないやあ!」
未波がB組に顔を出し、
そう言ってきた。
「ええ、何でえ?」
「あのねーっっ!!」
彼女はにやけた顔で
こちらへ寄って来た。
そしてあたしの耳元に
手を添えて、
「彼氏できたの」
と頬を赤らめながら言った。
「...ええ!!?まぢで??」
恥ずかしそうに彼女は頷いた。