キス屋
初めて
ーリョウスケ。
...好き。
これが、恋。
気付かなかったけど
こういうものなんだ。
しばらく忘れてた感覚。
「もう、キス屋に
来なくて良いよ」
リョウスケにそう言われた。
「ー...え...どうして?」
急な言葉で、驚いた。
「もう、通わないで良い。
俺、仕事前はいつも
近くの公園に居るんだ。
今度からそっちで会おう」
「ーえ、でも」
パッと契約書を思い出した。
『店員とキス屋以外で
会う事は禁止』
ー
「でも駄目なんじゃ...?」
「良いんだよ。
ただの『客』とは
外で会っちゃ駄目だけど、
恵愛は違うから」
あたしは顔が
ニヤけそうになった。
必死で抑えたけど、
無理だった。
ーただの客じゃない。
嬉しくて、たまらなかった。