キス屋
「...ところで君、
西陵高校だよね?」
「あ、はい...」
「そっか。じゃあ、
頭いいんだ?」
西陵高校は確かに
市内で二番目に良い所だ。
「あ、いや...まあ」
受け答えがヘタクソなあたしは
この人がどんなに話題を
ふってくれても、
すぐに会話は途切れてしまった。
なので申し訳ない様な気がした。
「家、どこ?怖いでしょ?
もう結構暗いし、
少し送っていこうか?」
「あ、いえ、大丈夫です。
あの...色々とありがとう
ございました、助かりました。
お礼に何か...」
助けてくれた恩人とは言え、
この人も初対面なのだ。
少しちゃらそうだし、
この人も悪いが信用は出来ない。
「お礼?そんなの良いって。
あ、じゃあ...良ければココ来て!」
すると、この人は
ポケットを探り、紙を出した。