儚き路〜キミと海〜
「そーいやさぁ!!
明日中間テストだよね?あたしやってない!!」
どうしよーと頭を抱えている柚衣。
お嬢様とは思えないほど活発でいつも笑顔。
まぁ…それなりに馬鹿なんだけど……
「あたしが教えてあげよーか?」
「まじ?なら頼もっかな!!
学年首位様に教えてもらったら絶対に点数上がる!!」
「そんな…こないだはたまたまでしょ?」
「でも、昇を抜いたのは凄いよ?」
昇………
あたしの最大のライバル。
そして幼なじみ。
昇は勉強でも運動でも成績が良くて完璧野郎。
まるで非の打ちどころがない。
おまけに顔も良くてモテモテ。
勿論、大企業の御曹司様だ。
顔よし、家柄よし、性格よし……
寄ってこない女はいないとおもう。
「よ!!」
噂をすれば……昇さん
「おぉー!!昇じゃん!!」
柚衣が昇の肩を叩きながら言った。
柚衣もあたしの幼なじみで昔はよくあたし、昇、柚衣の3人で遊んでたそうだ。