アルタイル*キミと見上げた空【完】
シュウヤ
バンッバンッ・・・
バスケのボールがはじける音は、
キュッキュッ と床を滑っていくバッシュの音と共に、
重なり合って、心地よいリズムになる。
天井のライトに、反射してぴかぴかと光るコート。
ワックスと革のにおいに思わず大きく息を吸い込んだ。
ふと、誰かが投げたボールが高く高く飛び上がって、
ゴールを目指していく。
私の脳裏に浮かんだのは、
ボールを抱えるように一緒に飛んだあの少年の姿。
あの日の・・・・・。
けれど、
一瞬かすめた記憶は、ゴールに跳ね返るボールの音でかき消され、再び現実へと戻される。