アルタイル*キミと見上げた空【完】
無責任だよね。
なにげなく質問した答えを凱が返さないのも深く考えないで、
ただ、トモがこちらに走ってくるのに、注意がいっちゃったんだ。
「おい、凱。うちのマネージャーに手は出すなよ」
ニッと笑うトモに、私はあわてて口を開いた。
「ちょっ、トモ。何言ってんのよ」
トモの後ろから来た副キャプテンの航くんが言葉を継ぎ足した。
「汐は大事な大事な、皆の汐だからな。抜け駆け絶対禁止!それが俺らの決まりになってるから」
「は?」
ちょっと・・・初耳なんだけど。
「汐、もう少しでクラブも卒業だから言うけど、お前結構人気あったんだぞ。お前が入部してから先輩達から言われたのが、その決まり」
えぇ~~?
「へぇ~~~やるじゃん、お前」
なんて凱が面白そうにニヤニヤと笑って私の腕をつついた。