アルタイル*キミと見上げた空【完】
クシュッ
今度は私のくしゃみ。
「寒くなってきたな・・・戻るか」
「うん」
少し名残惜しいけど、太陽が沈んだ後の海岸は、夏も間近とはいえ、急に冷えてくる。
「ほら」
岩場に足をかけるときに、すっと目の前に凱の腕が下ろされた。
「あ、ありがと」
考えてみれば小さい頃から凱はこんな何気ない優しさをあらわしてくれてたね。
けれど、今・・・・・・・胸がドキドキするのは、
思い出の中の優しい男の子が、「男性」になってる、ってつないだ腕が私に伝えてるからかな。
意識しすぎだ、ってわかってるのに・・・