アルタイル*キミと見上げた空【完】
引き寄せられるのを拒んだ私を修ちゃんは驚いたように見つめた。
「そして・・・聞いたよ。私が足かせになってるんじゃないか、って」
「汐、ちがっ・・・」
「違う、っていえないでしょ?」
「・・・・・・」
「サオリさんは・・・・・修ちゃんのこと、よくわかってる」
「サオリは関係ないだろ?!」
「サオリさんは!・・・・・・サオリさんは・・・・昔付き合ってたって・・・」
ぐっ、と修ちゃんが息を呑む音が聞こえたような気がした。
やっぱり・・・当たってたんだ。
さっきまでの幸せな空気なんて・・・もうすっかり飛んでいってしまった。
「修ちゃん。ごめんね。修ちゃんの夢を一番に考えて」
「し、お・・・?」
「ごめんっ」
部屋から飛び出した私の腕を引っ張った修ちゃんの手は、これまでにない強さで。
「俺は、汐が好きだから。ずっと・・・一緒にいたい」
でも、修ちゃん。
バスケのことも大好きでたまらないでしょう?
そして、私は、そんな修ちゃんのことが好きになったんだよ?
「ごめんっ」
振りほどいた手の向こうで修ちゃんが叫んだ。
「俺は絶対にお前と離れたりしないから。それだけは覚えてて」