アルタイル*キミと見上げた空【完】
「ええっと。テーピングOK! ドリンクOK!・・・うんこれでいいよね」
「持つよ」
「え?いいの?」
「そのために俺を呼んだんだろ?」
真新しいバッシュをさげた凱が呆れたように笑った。
「ま、そうかな・・・?」
本当は違うんだけど・・・
「変な奴。ほら貸して」
「うん。ちょっと重いよ?」
「よゆーだし」
重い荷物を軽々と持ち上げる凱は、やっぱり男の人だ。
「ありがと・・・・・・って、あのさ」
「ん?」
少し前を行く凱が振り返る。
ドキッ!
え?
何?今の鼓動。
不意に感じた胸のときめきを誤魔化すように、私は慌てて言葉を出した。
「あのさ、凱・・・あのね、ほら、その・・・」
「なんだよ」
「あの・・・彼女とか、好きな人とか、凱、いないの?」
「は?・・・あ~~~・・・」
凱が一瞬驚いたようにこちらをみてから、前をむいて歩き出す。
私の胸がまたドキドキ鼓動を早く始めた。
なんで?
なんで、私こんなに緊張して凱の答えを待ってるの?