アルタイル*キミと見上げた空【完】
「行こう」
今だ、通りの向こうの2人を見つめたままの凱の手を引っ張るようにして、私はまっすぐ道の向こうを向いて歩き出した。
凱を引っ張ってたつもりの手は、私が歩みを遅くするのと同時に、逆に凱の腕に引っ張られる形になってしまった。
零れ落ちる涙に、
先を行く凱は何も言わないでいてくれた。
修ちゃん。
修ちゃん・・・。
どうしてだろ?
修ちゃんの顔はたくさん見てきたはずなのに、
昨日の夜。
サオリさんの話を聞いて驚いたように口をつぐんだ、修ちゃんの顔しか今は思い出せない。
・・・私達、やっぱり・・・・・・もう・・・
「だめなのかな・・・」
涙を隠すようにうつむいた私の視線に入ったのは凱のスニーカー・・・・・・。