アルタイル*キミと見上げた空【完】
「忘れてんのかよ。お前小さい時いっつも星座の話してただろ?」
「え?そうだっけ」
「だろうな、忘れてると思った」
そうだっけ・・・そう言われてみれば・・・そうかも。
けど、凱にそんなこと話してたなんてすっかり忘れてた。
「お前が星座の話するの、俺結構好きだったんだけど」
「そうだったの?」
「そうだったんだよっ!・・・・・・だからあの時も空を見たんだ」
「・・・・凱?」
空から目を落とすと、さっきまで笑ってたはずの凱の横顔はいつのまにかそこから笑顔が消えてるのがわかった。
凱?
あの時って、あの夜のこと?
2人で見上げた、「夏の大三角形」
ええっと・・・アルタイルとデネブ、とあとなんだっけ。
あれは、私を元気付けるためだったって言うの?
試合に出れないかも、って落ち込んでた私のためだった、って言うの?