アルタイル*キミと見上げた空【完】
「凱・・・・」
何年越しに伝わる彼の隠れた優しさが、胸をかすかに揺さぶり始める。
知らなかった。
私はてっきり、凱のお父さんの話だと思って・・・
「でもさ・・・励ますつもりが、結局俺が元気もらってんの」
「え?」
「あの時さ、お前言っただろ?『私がずっと一緒にいる』って」
「あ・・・うん」
それは覚えてる。
言った後すごく恥ずかしかったのも、覚えてる。
「あれ、すげー嬉しかった、てか・・・感動した」
「・・・でも約束、守れなかった」
それには答えず、凱は真剣な顔のまま、私を見下ろした。
髪の毛が太陽を浴びてキラキラして、綺麗、ふとそんなことを思った。