アルタイル*キミと見上げた空【完】
頬に当てられた手が少し熱を増したように感じた。
「あの言葉が、ずっと俺のそばにいてくれた・・・・お前がずっと一緒にいてくれたんだ」
「凱・・・・・」
体が張り付いたように動かない。
けど、胸の鼓動だけが、凱にも聞こえるんじゃないか、って思うくらいに。
2人の間に固まった空気。
「俺は・・・・」
ダメだ。
今、ダメだよ。凱、お願い。
かすれた凱の言葉は、私の願いなんてあっさりと無視してぽつぽつと流れ続ける。
「お前が、幸せそうならそれでいいって思ってた。けど、もうあいつのことで泣いてるの見るのは、我慢できそうにない」
凱・・・。