アルタイル*キミと見上げた空【完】
「凱、大丈夫?」
口、少し切れてるっ。
急いでハンカチを出して、彼の元にひざまずいた。
けど、その私を引っ張り上げる修ちゃんの力は、痛いくらい強くて。
「痛い、よ。修ちゃん」
そんな私の声は聞こえていないのか、全くその力は弱まることがなかった。
修ちゃん・・・すごくすごく怒ってる。
痛い・・・。
「おいっ!修也、離せよ。汐が痛がってる」
よろよろと立ち上がった凱が修ちゃんの腕を掴んで低く叫んだ。
「お前には関係ないだろ?」
修ちゃんの低い声が、その場に響いた。
と、同時に、緩められた手に少し安心したその瞬間。
私はその腕を再び引っ張られて、あっと思った時には、
私の体はポスンと修ちゃんの腕に包まれていた。