アルタイル*キミと見上げた空【完】
「何それ〜!やっぱりムカつく〜!!けどさ、私はあんまり気にしなくていいと思うよ」
「?」
「修也さんが汐のこと大好きなの、見ててすごく伝わってくるもん」
思わず下をうつむくと、ほっぺを汐につままれた。
「痛いよ、凛」
見上げた私を見て、凛がにこっと微笑む。
「2人が、なんで一緒にいたのか、そりゃ私にもわからないけど、コーチはそんなやましいことする人じゃない、ってこと、汐が一番よくわかってるんじゃない?」
「・・・・・」
励ましてもらいながら、胸がじくじくと痛むのを感じた。
凜。
私そんなまっすぐな子じゃないよ。
凱と、もう少しでキス、するとこだった・・・・・・。
「汐?」
不思議そうな顔で覗き込んだ凛が何か言おうとした瞬間。
「移動移動!午後の練習はじめるぞ〜」
ドアの外からトモの大きな声が聞こえて、あやむやになってしまった。