アルタイル*キミと見上げた空【完】
「よかったよかった」
って先に歩いてく凛の後ろで、不意に小さく引っ張られた腕に、
さっきのことが思い出されて一瞬で顔が熱くなる。
「大丈夫だった?」
「うん」
見上げると、凱の口元が赤くなってることに気がついて思わず手をのばした。
「凱、ごめんね・・・」
触れた指先に、凱はびっくりしたように目を一瞬見開いてから、すぐに伸ばした私の手から顔を外した。
「ごめ・・・痛かった?」
「いや、俺は大丈夫だから」
照れたように笑うその凱の表情は、一気に空気をほぐしてくれた。
当たり前だけど、今の彼から時々見える昔の凱が、なんだか嬉しい。
その時・・・
「凱くん、汐、集合だって」
響いた凛の声に、私達はその場を惜しむかのようにちょっと笑ってから、
トモたちが円陣を組んでる中にはいったんだ。