アルタイル*キミと見上げた空【完】
夜の海にバーベキューはとても楽しくて、OBの人たちに感じてた緊張もすぐにほぐれた。
「サオリさん、今日はおとなしいね・・・」
クーラーボックスの中に氷を補充しながら凛が私の耳元でささやいた。
うん。
それは私も感じてた。
あんなに、昨日まで修ちゃんにべったりだったのに・・・今日はなんとなくキョリがあるような気がする。
さっきは、あんなに嬉しそうに彼の隣を歩いてたのに・・・。
「いいじゃん、汐。サオリさんもよくわかったんだよ」
「・・・・うん」
「ほら、汐。今がチャンス。行っといで!」
そう言って、凛が私の背中をぽんと叩いた。
押し出されるように、海岸に立つと、さっきまでいたはずの場所に、修ちゃんはいなかった。
どこに行っちゃったんだろう・・・。
でも、心のどこかで少しほっとしてる自分に、
私はとっさに気づかないふりをしたんだ。