アルタイル*キミと見上げた空【完】
「はは。名前は覚えてないよね。俺はタイチ。あらためてよろしくね」
「すみませんっ」
OBの顔と名前を覚えてないなんて、粗相もいいとこだ。
「そんな謝らなくていいよ」
「…はい」
「俺も初めわかんなかったもん…汐ちゃんのこと」
「は?」
見上げると、タイチさんは少し照れたように私を見て言った。
「汐ちゃん、大人っぽくなったよね」
「え……」
そんなこと、言われたのは初めてで、思わず頬を両手で覆った。