アルタイル*キミと見上げた空【完】
「あいつはな~・・・、なんか何年も前から好きな女がいるとか聞いたことあったな」
「え?」
何年も前から?
誰のこと?
そういえば、サオリさんが言ってた、
「もしかして・・・・・・コーチには結婚が決まってる人がいるって・・・」
「え?あぁ・・・・そういえばそんな話も聞いたことがないわけじゃないけど・・・」
胸がチクチクする。
「けど、あいつの好きな女って、そういうんじゃないと思う」
はぁ~~、思わず出た私のため息を見て、タイチさんは私の頭を撫でて言った。
「ねぇ、汐ちゃん、修也にあこがれるのやめて、俺にしなよ、ね?」
「は、はぁ・・・・じゃなくて、結構ですから」
なんか、リズムがつかめないな、タイチさん。
「や、マジかも。な~~んて」
は、ははは。
もう笑いしか出ないし。
その時・・・・・・
「お前、飲みすぎ」
そんな声とともに、私の頭に乗っかった手が外れた。