アルタイル*キミと見上げた空【完】
けれど、瞬間再び掴まれた私の腕。
たどると、修ちゃんが、静かにサオリさんを見つめてた。
「だから、問題ないだろ?」
「え?だって、修也がアメリカに行く時は、サポートのために私に一緒にいくように、って監督が・・・」
修ちゃんはそういうサオリさんをみてちいさくため息をついてから、言葉を出した。
「それは、お前が監督に取り入ったんだろ?」
「ひどっ」
サオリさんの顔が赤く染まっていった。
「私がどれだけ修也のためを思って・・・」
「サオリ・・・」
「ひどいよ、修也」
「・・・ごめんな、サオリ。お前には感謝してる。けど・・・さっきも言ったろう?俺はお前の望みをかなえることはできないんだ」
黙り込んだ沈黙の中に、波の音が静かに響き渡る。