アルタイル*キミと見上げた空【完】
「俺が好きなのは、一人だけだから」
私の腕を掴む手の力が少し強まった。
「こんなに言ってもだめなの?私の方がずっと修也のこと好きなのに・・・なんで・・・・・・」
「サオリ~」
さっきまで酔っ払ってたはずのタイチさんがサオリさんの肩をぽんとたたいた。
「修也の方が気持ち強いわ。だって、汐ちゃん噂の彼女だもんな」
え?
噂の、彼女?
「なんだよ、修也。汐ちゃんには言ってないの?」
「修ちゃん?」
見上げると修ちゃんは照れくさそうにもう一方の手で顔を覆って、
「やめろ、タイチ」
なんて言ってる。
「やっぱり言ってないんだな・・・・・だからややこしくなるんだよ」
といってタイチさんが話してくれたのは、意外な修ちゃんの過去のお話。