アルタイル*キミと見上げた空【完】

「一目ぼれ、だったんですよね?」


トモの声が後ろから聞こえて、振り返ると、トモと凛がにやにや笑って立っていた。その横には、凱。



話の流れはわからないけど、なんとなく凱には聞かれたくなくて、思わず目をそらした。



「ま、俺らから言うより、本人から言ってもらったほうが嬉しいよな?汐ちゃん。ほら、退散退散」



起き上がったタイチさんが、「ほら、サオリも来い」って彼女の手を引いて向こうへ行ってしまった。



トモも凛も、「ごゆっくり~~」なんて言っちゃってるし。



その隣の、凱。


口を何か動かして、そしてトモたちと一緒に行ってしまった。


何を、言いたかったんだろう。



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