アルタイル*キミと見上げた空【完】
彼の彼女
「で、どうだったの?」
キラキラした眼で私を覗き込む凛の顔は、これ以上にない笑顔だ。
「わ、もしかして、これ・・・・・・」
そして私の手に握られた小さな灰色の箱はあっさりと凛に見つかった。
「凛・・・」
言いかけた私の言葉を全く聞いてない様子で、凛が続ける。
「ん、ちょっとまって。これはもしかしてもしかすると・・・・・結婚しよう、とか、まさかそれはないよね?」
瞬間、さっきの光景が思い出されて、顔が一気に赤くなっていくのがわかった。
今さらながら胸がドキドキし始める。
「まさか・・・そのまま?」
何も言わずにうつむいた私の前で、凛の叫び声ともいえない大声が響き渡った。
「うそーっ!!」
「ちょ、凛・・・」
「すごいじゃん!てか、うらやましすぎるんだけど・・・・」
「凛、待って。私何も言ってないし・・・」
「そりゃそうだよ。まだ高校生だし、とか考えてるんでしょ?でも私らも来年には卒業だよ?」
「そうじゃないの!・・・・そうじゃなくて・・・・・・」