アルタイル*キミと見上げた空【完】
「あいつら、付き合い始めたらしい」
「え?」
新コーチのタイチさんが教えてくれたその情報に、私も凛もボールを片付ける手が思わず止まってしまった。
「どういうこと!?」
迫る勢いの凛に少々押されながらタイチさんが教えてくれた。
凱があの合宿の後にサオリさんに告白したということ。
最初は、サオリさんも断ったらしいけど、一目ぼれした、という凱の言葉に押されるようにしぶしぶOKしたということ。
「一目ぼれぇ??」
「あぁ。なんか、すげーアタックされた、ってサオリ言ってたぞ。でも、さっきの様子見てたらまんざらでもなさそうだよな」
「えぇ~~、ショック~~!なんでサオリさんなの~~?」
そんな凛とタイチさんの会話を聞きながら、私は胸に何かがつかえるような感触が生まれてるのに気がついた。
・・・凱・・・・・・なんで?