アルタイル*キミと見上げた空【完】
「・・・汐、大丈夫?」
体育館の扉の鍵の確認をしてる時に、凛が私の顔を覗きこんだ。
「え?」
「なんか・・・顔色悪いけど?」
「そ、そう?そんなことないよ」
「うん・・・ならいいけど・・・・」
そういって一旦背を向けて先に行きかけた凛が再び振り返る。
「凱くんとサオリさんのこと・・・ショックだった?」
かけられた凛の言葉に、あわてて笑顔をつくろうとしたけど、顔がこわばって動かない。
「ショック?なにそれ・・・・そんなこと・・・・・ない」
「汐・・・・涙・・・・」
「え?」
あわてて頬を押さえると、濡れた感触が指に伝わって、私はその時初めて自分が泣いてることに気がついたんだ。