アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐・・・・」
「びっくりしたよね~!まさか、って感じ」
私は凛から顔を外して、体育館のドアの鍵をカチャカチャとまわした。
泣いちゃいけない。
凛の前では泣けない。
「汐・・・」
「あ~~、それにしてもさっ。タイチさんの練習も結構ハードだったよね。明日から少し飲み物の量増やしたほうがいいかもね」
「汐?」
「あ、ほら。今度大学のチームと合同練習させてもらえる、ってタイチさん言ってたから、それの準備もしないとね!・」
「汐、ってば」
「あれ?凛。トモが待ってるんじゃない?ほら、早く行かないと、また勝手に帰っちゃうよ?」
「汐・・・・無理してる?」
「・・・・は?・・・・無理なんて・・・してないよ」
私の手を握って心配そうに覗き込む凛の顔を、やっぱり見ることは出来なかった。
こんなことでショックを受けてる私。
友達にも知られたくないよ。