アルタイル*キミと見上げた空【完】
ふいに掴まれた両手をたどると、真剣な凛の目が私を見つめてた。
「汐・・・私あんな風に言ったけど、汐は友達だから。・・・大好きだから・・・・」
そういって、凛は一旦うつむいて言葉を続けた。
「だから、辛いことがあったら、何でも言うんだよ?私は汐の味方でいたいから・・・ね?」
凛・・・
「凛・・・ありがと。でも本当に大丈夫だよ?・・・もしかしたら、今やっと昔の初恋に気づいてるだけなんだと思う。小さい頃、好きだったのかな、って」
「・・・・」
「それに・・・もうずっと昔に私、凱にふられたことあるから」
「え?凱くんが??」
「ん。凱が優しくしてくれるのは幼なじみだから、というだけ。ってことに、昔も今も気づくのが遅いんだよね。本当バカだ、私」
「そう・・・なんだ」
そう。
ずっと昔に、凱が私のこと眼中なしだ、って言ってたことを思い出した。
そうだよ。
あの時に、私はすでにもう失恋してたんだ。
バカだね。
凱の優しさは昔から変わらないのに、それを勝手に意識しちゃって、
今一番大切にしなきゃいけないものが見えなくなってた・・・・・。