アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐!」
名前を呼ばれて、足を止める。
振り返ると・・・・
「エッコ・・・」
息を切らしたエッコと・・・隣には凱。
「ほら!もう暗いから危ないし・・・具合悪そうだから。汐」
私の頭をぽんぽんと叩いて笑うエッコに私は思わず顔を横に向けた。
「汐・・・・会うのは久しぶりだけど、なんか変だよ?汐らしくないっていうか・・・またよければ話聞かせてね。今日のところは、凱くんに送ってもらって?」
「・・・え?・・・・・いいよ。皆楽しみにしてたんでしょ?」
「そりゃそうなんだけど・・・・・」
そうして、エッコは凱に聞こえないように私の耳元でささやいた。
「あんたが出て行ったときに、凱くんに汐のこと聞かれて言ったら、もう周りが見えてない、って感じで・・・・ま、相手は美人系だけど、汐・・・ファイト!」
「え?ちょっと、何言ってんの?」
「凱くん、そういうわけで汐お願いね!!」
エッコは私の言葉なんて無視して、凱にそういうと、私にだけ小さくウインクをして元来た道を走っていった。