アルタイル*キミと見上げた空【完】
二度目の私の声のボリュームに、凱が立ち止まり、こっちに振り返った。
「なんで、俺が悪いんだよ。具合悪いの我慢するお前のクセを直せ、って言ってんだよ」
「・・・・・・じゃない」
「は?」
「凱がっ・・・・」
サオリさんとつきあうから悪いんじゃない!
と言おうとして、やっと気がついた。
私、すごいやきもちを妬いてる。
でも・・・言えないよ。そんなこと。
「もういいっ」
「わけわかんね~・・・・・・」
そう言って再び前を向いて歩き出した凱の背中に、遅れないように着いて歩きながら、私は、確信してしまった。
あの頃、抱いてた想い。
それが初恋というのなら・・・この気持ちはなんと呼べばいいんだろう。
凱、私・・・・やっぱり凱のことが・・・・