アルタイル*キミと見上げた空【完】

二度目の私の声のボリュームに、凱が立ち止まり、こっちに振り返った。


「なんで、俺が悪いんだよ。具合悪いの我慢するお前のクセを直せ、って言ってんだよ」


「・・・・・・じゃない」


「は?」


「凱がっ・・・・」



サオリさんとつきあうから悪いんじゃない!



と言おうとして、やっと気がついた。


私、すごいやきもちを妬いてる。


でも・・・言えないよ。そんなこと。



「もういいっ」


「わけわかんね~・・・・・・」



そう言って再び前を向いて歩き出した凱の背中に、遅れないように着いて歩きながら、私は、確信してしまった。


あの頃、抱いてた想い。


それが初恋というのなら・・・この気持ちはなんと呼べばいいんだろう。



凱、私・・・・やっぱり凱のことが・・・・







< 229 / 640 >

この作品をシェア

pagetop